暑熱被害に備えましょう
近年、夏場の気温が高く、高温による被害が懸念されます。家畜の生産性を維持・向上する暑熱対策に取り組みましょう。
家畜管理
- 1 回の飼料給与量を少なくして回数を増やす。
- 早朝や夜間の涼しい時間帯での飼料給与を行う。
- 畜体への散水・散霧により体感温度を下げる。
- 細霧装置は湿度50%以上で体感温度が上昇するので注意する。
- 常に新鮮な水が飲めるよう、水圧の確保や水槽の清掃を行う。
- 密飼いを避ける。
- 暑熱ストレスを受けやすい高泌乳牛や分娩予定牛、子牛は牛舎内の涼しい場所に移動させる。
- 発汗等でミネラルが失われるため、ミネラル類を多めに給与する。
- 高温下では酸化ストレスが亢進するため、ビタミン類を給与する。
- 採食や反芻に伴う唾液の分泌が少なくなるため、重曹などの緩衝材を給与してルーメン内pH 低下を抑える。
- 窒素代謝には多量のエネルギーを必要とし乳牛の体温上昇につながりやすいため、タンパク質は過剰給与しない。
- 品質の低下した粗飼料はルーメン内での熱生産量が多くなり体温が上昇するので、手に入る粗飼料の中で良質な粗飼料を高泌乳牛に給与する。
- ルーメン内での熱生産量が少ない油脂や脂肪酸カルシウムを高泌乳牛に給与する。
- 牛体の毛刈りや汚れ落としにより熱放射を促進させる。
- 異常家畜の早期発見、早期治療に努める。
畜舎管理
- 屋根への遮熱塗料や石灰等の塗装、散水、断熱材の設置により畜舎内温度を下げる。
- 西日が当たる側に植樹、遮光ネット、よしず、寒冷紗等で直射日光を軽減させる。ただし、枝等の剪定を適宜行うなど、風通しにも配慮する。
- 換気扇、送風機は羽根の掃除や注油、ベルトの張り直しを行い、効率を上げる。
- 扇風機やダクト等では、首から肩付近に向けて直接畜体に風が当たるよう送風する。牛の体感温度は風速2m/秒で約8 度下がる。
- 畜舎回りの除草や空気の流れを遮るものを除去し風通しを良くする。
- 給餌機や給餌ライン、飼槽を点検・清掃し、飼料の腐敗とカビ発生を防止する。
- 温湿度計等で日頃から畜舎内の環境をチェックする。
飼料作物
- トウモロコシ・ソルガムで病害虫の発生が著しい場合は早期に刈り取る。
- 牧草は過度の低刈りや短い間隔での刈り取りを避け、草勢を維持させる。
- 作業時期が早まる可能性を考慮し、準備を始める。
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