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更新日:令和7(2025)年8月20日

ページ番号:4643

千葉県感染症情報センター

千葉県感染症情報センターとは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」による施策として位置づけられた感染症発生動向調査により得られた情報を集計・分析するとともに、情報提供・開示するため、千葉県衛生研究所に設置されています。

週報月報新型コロナウイルス感染症麻しん百日咳梅毒腸管出血性大腸菌感染症インフルエンザ感染性胃腸炎風しん急性呼吸器感染症(ARI)報告様式/リンク

週報

 2025年第33週(2025年8月11日から2025年8月17日)(PDF:956.3KB)

2025年8月11日から2025年8月17日までの期間(2025年第33週)の千葉県結核・感染症週報を掲載しています。

※過去の注目疾患:2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年2023年2024年2025年

※過去の週報:2012年から2016年週報2017年週報2018年週報2019年週報2020年週報2021年週報2022年週報

       2023年週報2024年週報2025年週報

今週の注目疾患

レジオネラ症

 

 2025年第33週の累計届出数68例は、直近10年の同時期と比較し最も多い(図1)。レジオネラ症は、夏から秋にかけて届出が多くなる傾向があるので、引き続き発生動向に注意が必要である(図2)。

2016年から2025年までの診断年別レジオネラ症届出数のグラフ

2016年から2025年までの診断月別レジオネラ症届出数のグラフ

 

 2016年から2025年第33週までに県内医療機関から届出のあった907例の概要は以下のとおり。
 病型別では、肺炎型860例(95%)、ポンティアック熱型37例(4%)、無症状病原体保有者10例(1%)であった。性別では、男性731例(81%)、女性176例(19%)と男性が約8割を占めた。年代別では、60代が224例(25%)と最も多く、次いで70代223例(25%)、80代184例(20%)と続き、60歳以上が約8割(690例)を占めた(図3)。推定される感染原因・感染経路(重複あり)は、水系感染(エアロゾル感染を含む)244例(27%)、塵埃感染59例(7%)であった。

2016年から2025年の性別年齢群別レジオネラ症届出数のグラフ

 

 肺炎型860例の届出票に記載のあった症状・所見(重複あり)は、肺炎838例(97%)、発熱774例(90%)、咳嗽335例(39%)、呼吸困難303例(35%)、意識障害117例(14%)、下痢82例(10%)、多臓器不全79例(9%)、腹痛21例(2%)であった。

 レジオネラ症は、土壌や水環境に広く存在するレジオネラ属菌による細菌感染症であり、主な病型として重症の肺炎を引き起こすレジオネラ肺炎と、一過性で自然に改善するポンティアック熱がある1)

 レジオネラ肺炎の潜伏期間は 2日から10日で、全身倦怠感、頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状に始まり、咳や38℃以上の高熱、寒気、胸痛、呼吸困難が見られるほか、意識レベルの低下、幻覚、手足が震えるなどの中枢神経系の症状や、下痢がみられるのも特徴とされている。特に高齢者や新生児は肺炎を起こす危険性が高く注意が必要であり、大酒家、喫煙者、透析患者、移植患者や免疫機能が低下している人もレジオネラ肺炎のリスクが高いとされている1,2)

 ポンティアック熱の潜伏期間は1日から2日である。突然の発熱、悪寒、筋肉痛で始まるが、一過性で治癒する1,2)

 感染経路としては、エアロゾルを発生させる人工環境(循環水を利用した風呂、加湿器、噴水等の水景施設、空調設備の冷却塔等)を感染源とするエアロゾル感染、温泉浴槽水や河川の水を吸引・誤嚥したことによる感染、汚染された土壌の粉塵を吸い込んだことによる塵埃感染などがある1,2)

 対策としては、追い炊き機能付きの風呂や24時間風呂などの循環式浴槽を備え付けている場合には、配管や浴槽内に汚れやぬめり(バイオフィルム)が生じないよう定期的に清掃を行うなど、取扱説明書に従って維持管理をすることが重要である。また、超音波振動などの加湿器を使用する時には、毎日水を入れ替えて容器を洗浄することが大切である1)。エアロゾルが発生する高圧洗浄や、粉塵が発生する腐葉土の取り扱い等にあたってはマスクを着用して感染を予防していただきたい2)

■参考・引用

1)厚生労働省:レジオネラ症外部サイトへのリンク

2)国立健康危機管理研究機構:レジオネラ症外部サイトへのリンク

Topics

夏休みに海外へ渡航される皆様・渡航された皆様へ

海外においては、国内では見られない感染症が流行していることがあり、海外滞在中に感染する可能性があります。海外へ渡航する際には、事前に渡航先における感染症の流行状況、現地滞在中の注意点、海外渡航に際し推奨されている予防接種をご確認ください。

また、感染症には、潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)が数日から1週間以上と長いものもあり、渡航中や帰国直後に症状がなくても、しばらくしてから具合が悪くなる場合があります。その場合は、医療機関に事前に電話連絡して海外渡航歴があることを伝えた上で受診し、渡航先、滞在期間、現地での飲食状況、渡航先での活動内容、動物との接触の有無、ワクチン接種歴等についてお伝えください1,2)

 

■参考・引用

1)厚生労働省:海外へ渡航される皆様へ外部サイトへのリンク

2)厚生労働省検疫所FORTH:海外へ渡航される皆さまへ!外部サイトへのリンク

疾患別・保健所別5週グラフ

RSウイルス感染症、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、水痘、手足口病、伝染性紅斑、突発性発しん、ヘルパンギーナ、流行性耳下腺炎、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、急性呼吸器感染症(ARI)、急性出血性結膜炎、流行性角結膜炎の5週間分の保健所別の定点当たり報告数のグラフを掲載しています。

月報

2025年7月の千葉県結核・感染症月報(2025年第27週週報)を掲載しています。

新型コロナウイルス感染症

《発生状況について》

2025年33週の県全体の定点当たり報告数は、前週(8.88*)から減少して、5.81となった。*前週集計時点では8.70

2025年33週までの県内の新型コロナウイルス感染症の発生状況について掲載しています。過去の発生状況については以下に掲載しています。

《新型コロナウイルス変異状況について》

県衛生研究所は、国立感染症研究所と協働で、県健康福祉センター(保健所)(千葉市・船橋市・柏市除く)等から収集した検体について新型コロナウイルスのゲノム解析を行い、ウイルスの変異状況を調べています。

その状況についてお知らせします。

麻しん情報

千葉県では、2025年33週に届出はなく、累計は22例であった。

2025年33週までの県内の麻しんの発生状況について掲載しています。

【国内の状況】

国立健康危機管理研究機構のまとめによると、2025年は第32週に9例の届出があり、累計205例となりました。近隣都県では、これまでに神奈川県で42例、東京都で28例、茨城県で22例、埼玉県で9例の届出がありました1)

国内外での報告増加を受け、厚生労働省は令和7年3月19日付けで注意喚起をしています2)

1)国立健康危機管理研究機構:麻疹 発生動向調査外部サイトへのリンク

2)厚生労働省:麻しんの国内外での報告増加に伴う注意喚起について(協力依頼) (PDF:190.4KB)

 

【千葉県の過去の状況】

国内で麻しん(はしか)の感染事例が報告されています。麻しんは感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。麻しんの罹患歴がなく、2回の予防接種歴が明らかでない場合は予防接種をご検討ください。

また、発疹、発熱などの麻しんのような症状がある場合は、麻しんの疑いがあることを事前にかかりつけ医または医療機関に電話等で伝え、受診の要否や注意点を確認してください。医療機関へ移動される際は周囲の方への感染を防ぐためにもマスクを着用し、公共交通機関の利用は可能な限り避けてください。詳細については、下記ホームページをご参照ください。

百日咳が増加しています!

千葉県では2025年33週に77例届出があり、累計は2,678例となった。

 県内の百日咳発生状況について掲載しています。

梅毒情報

千葉県では2025年33週に5例の届出があり、累計は280例となった。

県内の梅毒発生状況について掲載しています。2021年から2024年の過去の発生状況については以下に掲載しています。

腸管出血性大腸菌感染症情報

千葉県では2025年33週に9例の届出があり、累計は115例となった。

2025年33週までの県内の腸管出血性大腸菌感染症発生状況について掲載しています。2010年から2024年の過去の発生状況については以下に掲載しています。

インフルエンザ情報

2025年33週の県全体の定点当たり報告数は、前週(0.41)から減少して、0.20となった。

2024/25シーズンの県内のインフルエンザ発生状況について掲載しています。2015/16シーズンから2023/24シーズンの過去の発生状況については以下に掲載しています。

※県内の迅速診断の結果がとりまとめられています。

感染性胃腸炎情報

2025年33週の県全体の定点当たり報告数は、前週(3.95)から減少して、2.02となった。

2024/25シーズンの県内の感染性胃腸炎の発生状況について掲載しています。2016/17シーズンから2023/24シーズンの過去の発生状況については以下に掲載しています。

風しん情報

千葉県では、2025年33週に届出はなく、累計は0例であった。

県内の風しんの発生状況について掲載しています。2008年から2024年の過去の発生状況については以下に掲載しています。

急性呼吸器感染症(ARI)定点から保健所への報告様式

報告様式・集計様式(エクセル形式)(エクセル:62KB)

報告様式・集計様式(PDF形式)(PDF:235.2KB)

保健所へは、小児科・ARI定点の医療機関は報告様式1と2の両方を、ARI定点は報告様式2をご報告ください。

 なお、集計様式は、保健所への送付は不要です。

 参考:急性呼吸器感染症(ARI)に関する説明会の開催について(千葉県疾病対策課)

急性呼吸器感染症定点にかかるシステム上の入力方法について 医療機関向け(PDF:1,419.1KB)

オンライン報告を希望される場合、ちば電子申請サービスから手続きをお願いします(県庁疾病対策課ホームページへ)

リンク

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部千葉県衛生研究所感染疫学研究室

電話番号:043-266-6723

ファックス番号:043-265-5544

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