臨床工学科
当科の特徴
当院の臨床工学科は、手術室・中央材料室から始まり、2012年4月に独立した部門として開設されました。
現在の医療に不可欠な医療機器のスペシャリストである臨床工学技士が2名所属しており、院内の医療機器の保守・管理を担当しています。今後ますます重要性が高まる医療機器の安全性確保の担い手として、医療スタッフと共に、チーム医療に貢献しています。
主な業務案内
医療機器管理業務
臨床工学科が担当している医療機器は数多く、多岐にわたります。様々な部署で使われている輸液ポンプ・シリンジポンプ等のポンプ類、酸素流量計、モニタリング機器のベッドサイドモニタ・セントラルモニタ、生命維持管理装置の人工呼吸器や血液浄化装置を取り扱っています。さらに当院では、泌尿器科や耳鼻咽喉科などの各診療科で使用している医療機器の保守管理を担当しています。令和5年度より新たに内視鏡装置と超音波診断装置の管理を行うようになりました。
当院では、一部の医療機器の中央管理体制を取っており、必要に応じて各部署に機器の貸出を行っています。臨床工学技士が院内で保守点検を行うことで対応の迅速化とコストの削減を図っています。
院内保有機器
輸液ポンプ・シリンジポンプをはじめ、様々な機器の管理を行っています。

輸液ポンプ・シリンジポンプ

経腸栄養ポンプ

低圧持続吸引機

人工呼吸器

医療機器保守点検の様子
臨床工学科では院内で医療機器の点検と整備を行っています。
人工呼吸器業務
佐原病院では全9台の人工呼吸器を保有しており、院内で使用する人工呼吸器に対して、臨床工学技士が導入時の立会い、使用中のチェック等に関わっています。NPPVやネーザルハイフローでは患者への導入やフィッティングに介入しており、安全かつ治療効果があるよう業務に携わっています。
搬送用呼吸器を用いた院内搬送も対応しており、院外へ転院搬送になった場合は、救急車へ同乗して呼吸器の対応を行っています。
在宅で人工呼吸器を使用している患者への対応も、要請があれば臨床工学技士が患者宅への派遣を行っています。
当院保有人工呼吸器
・挿管用呼吸器 4台
・NPPV専用呼吸器 2台
・搬送用呼吸器 2台
・DMAT保有呼吸器 1台

NPPV専用呼吸器

救急外来の搬送用呼吸器
緩和ケア・在宅業務
緩和ケアや在宅治療を行っている患者の医療機器の対応を行っています。緩和ケアで使用される鎮痛用のPCAポンプ装着時の立会いや患者・家族への説明を臨床工学技士も行っています。
他院からの転院、入院から在宅退院時には、訪問看護ステーションや入退院支援室と連携して業務を行っています。
手術室業務
令和5年度より、手術室の麻酔器の始業時点検を臨床工学技士が担当することになりました。他にも手術室で使用している電気メスやモニター類、鏡視下手術に使用する装置にも対応しています。当院で行われている手術が安全にかつ円滑に行えるよう臨床工学科は手術室と連携し支援を行っています。

胸水・腹水濾過濃縮再静注法(CART)
当院では、胸水・腹水濾過濃縮再静注法(CART)を実施しています。CARTとは、がんや肝硬変などによって溜まった大量の腹水(胸水)を濾過濃縮し、アルブミンなどの有用なタンパク成分を回収し再静注する治療です。臨床工学技士は専用の装置を操作し、腹水の濾過濃縮処置を行っています。
ペースメーカー業務
当院では毎月第一金曜日に循環器内科にてペースメーカー外来を実施しています。臨床工学技士はチェック用のプログラマーを使用して、ペースメーカーの管理や設定変更を行い、外来患者の管理も行っています。手術や処置時のペースメーカー埋め込み患者に対する緊急対応も臨床工学科が行っています。

心臓ペースメーカー外来
ペースメーカーチェックの様子
医療機器研修
院内の医療機器を正しく安全に使用できるよう、各部署の看護師・コメディカル・医師向けに医療機器の研修を毎年計画的に実施しています。
スタッフ紹介
当科では、臨床工学技士が常勤2名の全2名のスタッフで業務を行っています。(2025年4月時点)
- 第2種ME技術者:2名